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【2007年・すぐれたTV番組大賞・選考過程】

◆平成19年の「すぐれたTV番組大賞」は下記選考委員の討議により決定しました。その討議記録の一部を公開します。

【すぐれたTV番組大賞選考委員】
キタ・ミキ/タケイ・ミキ/ジャクリーヌ草壁/大久保タランティーノ清/瀬戸内弱小/桃色ダイオード中村/ノーベル田中/サーヤ黒田
客員選考委員・小池壮彦


キタミキ:「ベスト3方式にする案がありましたが、見送りになりました」
大久保 :「3つ選ぶなら4つでもいいし、5つでもいい。だったらそれは候補作でいい」
桃中村 :「候補作に挙がるだけでも大変ですからね。そこで今年の大賞の風林火山ですが」
キタミキ:「3月の時点でほぼ決定でした。問題は4月と後半で崩れるかどうかでしたが」
瀬戸内 :「大河ドラマの特徴は、4月まではよくて、5月以降に崩れること。それを回避したのは過去に何作もない」
ジ草壁 :「天と地と国盗り物語。そのくらいでしょうか」
桃中村 :「花の生涯もそれほど崩れなかった。赤穂浪士は別格。それにしても風林火山は国盗り物語以来の傑作だった」
サ黒田 :「3月でほぼ決定ということですが、やはり8回、9回あたりの」
キタミキ:「海ノ口城の奇襲ですね。そして晴信が板垣に謀反の心を打ち明ける」
瀬戸内 :「市川亀治郎と千葉真一に尽きる。謀反を打ち明けたときの太陽光の演出は千葉さんの進言だそうです」
大久保 :「ガクトが意外によかった。これは予想外だった」
サ黒田 :「松井誠、それから藤村志保が後半は凄かった」
大久保 :「最終回はガクッとなったが、これまでの大河がひどすぎたから、まあまあ許せた」
サ黒田 :「回想シーンでつぶすんですよね。死んだ人の使いまわしとか。風林火山もちょっと危なかったけど」
キタミキ:「なんとか持ちこたえてよかったです。脚本もさることながら、大河の傑作は原作がいい」
桃中村 :「他に大賞を狙える作品はなかったんですか?」
キタミキ:「にっぽん 家族の肖像の第3集 千住暮らし・黄昏れて光の中でしょうね」
ジ草壁 :「もし大河がこけてたら、それとNHKスペシャル 脳を鍛えて人生を再び〜福岡・高齢者たちの挑戦〜
キタミキ:「その2つと新日本紀行ふたたびが争ったでしょう」
大久保 :「いずれもNHKならやってあたりまえのドキュメンタリーという縛りがある」
キタミキ:「その点を考慮しても高い水準の番組だったと思う。だから風林火山がなかったら非常に困った」
瀬戸内 :「お年寄りの表情の機微をとらえた映像としては2004年大賞を超えていたかもしれない」
タケイ :「2004年大賞というのは遺族たちは生きた−熊本大洋デパート火災から30年−ですね」
サ黒田 :「YumingFilms〜映画になったユーミンソングス〜はどうでしょう」
ジ草壁 :「期待しなかった分、まあまあだと思った。バイバイ、ベアー〜青いエアメイルとか」
キタミキ:「ユーミンの曲の心象風景って、もう本当に個々のものになっているから、普遍性はないんですね」
瀬戸内 :「そう。だからどうしても、映像になると、違うなぁと思ってしまう。そこが難しい」
サ黒田 :「ですよね。だから冷ややかに見ていたんだけど、私も期待しなかった分、そこそこがんばってるなと」
キタミキ:「キャストはよかったですよ。特に多部未華子
サ黒田 :「素浪人 月影兵庫の論評をどうぞ」
大久保 :「まあまあよかった。近衛十四郎の殺陣をよく研究していた」
ジ草壁 :「近衛十四郎の殺陣は、豪快にして華麗でしかも速いんですね」
サ黒田 :「春のワルツはいかがでしょう」
ジ草壁 :「長すぎたかなぁ、という印象ですね。あの内容で回数を半分にすればよかったと思う」
サ黒田 :「絵は綺麗でしたね。私は韓国ドラマのよい点は、結局映像の透明感だけだと思う」
キタミキ:「あとは見慣れていない役者の清新さでしょうね」
サ黒田 :「今年はどうなるでしょう」
キタミキ:「雪乃丞変化の滝沢くんは微妙でしたね」
大久保 :「まるでダメなんだが、努力の跡は認める」


【2007年・すぐれたTV番組大賞候補作】

◆平成19年大賞は、平成20年1月に選考の上、1作が選ばれます。
◆大賞以外に部門賞・特別賞その他が推薦される場合もあります。


12/29 NHK
 Yuming Films 〜映画になったユーミンソングス〜
 ・・・「SEASONS COLOURS −秋冬撰曲集−」収録曲から3人の監督による映像化。
   「リフレインが叫んでる」、「バイバイ、ベアー〜青いエアメイル」、「新年好(シンニェンハオ)!〜A HAPPY NEW YEAR」の3作品。

9/16 NHK
 にっぽん 家族の肖像 「第3集 千住暮らし・黄昏れて光の中」
 ・・・東京・千住に住む老夫婦。92歳の夫が狭心症で半身不随の妻86歳を支えて20年。
    ユーモアも交えながら老夫婦の最後の1年を描く。構成がよかったし妻亡き後の遺影の描写など秀逸。

4/7〜9/1 NHK
 春のワルツ
 ・・・微妙だなぁという感じだが、欠点も含めて候補にしといてもいいと結論。
   細かいことはいずれ。日本でこれに匹敵するラブロマンスができるかといえばNOだろう。
   内容ではなくて映像の面で、現在の日本の人材では無理。

7/17〜9/11 テレビ朝日
 素浪人 月影兵庫
 ・・・いま風にはなっているが、妙な既視感もあった。
    品川隆二も出てきたし、松方の殺陣もいちおう豪快。表情や雰囲気も研究した感じ。

7/7 テレビ朝日
 必殺仕事人2007
 ・・・新版としてはこんな感じか。サビはまずまず。
    からくり屋は仕事人になるより殺された方がよかった。 いいかえれば加賀谷はもっと残忍でいい。
    中村主水の存在感ありすぎで東山は微妙。絵師・常磐津・白拍子はよかった。

5/26〜6/16 NHK
 NHK土曜ドラマ「こんにちは、母さん」
 ・・・名高い作品だが舞台は見ていなかった。ドラマ化されるというので楽しみにしていた。
    のっけから強烈に面白かった。

4/11 NHK
 NHKスペシャル 「松田聖子 女性の時代の物語」
 ・・・後付けの批評と遅れてきたファンの目線。女性女性ってうるさいんだよ。
    フェミのおかげでこっちはコンサートにも行きにくくなっているのだ。
    聖子のスキャンダルは郷ひろみがすべて。松田聖子は1回そこで終わっている。そこから以後は別の物語。
    この番組はその「別の物語」だけをやっているのだが、それだけで「松田聖子」を語ると大きな誤解を招くので気をつけたまえ。    

2/25 NHK
 NHKスペシャル 「脳を鍛えて人生を再び〜福岡・高齢者たちの挑戦〜」
 ・・・重度の認知症でも学習療法で脳機能が改善する――。
    東北大学・加齢医学研究所の川島隆太教授(47歳)の仮説が、全国数百の老人施設などで導入されて成果を挙げているという内容。
    川嶋教授によると、「脳の3割以上を占める前頭前野を活性化すれば、高齢者のコミュニケーションや生活能力が改善する」。
    番組では5年前に最も早くこの療法を取り入れた福岡県大川市の社会福祉法人・永寿会の取り組みを密着取材し、
    お年寄りの表情の変化を見事にドキュメント。驚くべき映像が展開したが、これは明らかに永寿会のスタッフが優秀なのである。
    番組では脳機能改善の成果に重点が置かれたが、スタッフの苦労の面をもう少し描くと、より衝撃が深まったと思う。

2/3 NHK
 新日本紀行ふたたび 「ふるさと 遠野 〜岩手県〜」
 ・・・昔の新日本紀行はぜんぶ見ているので、あの遠野に残った若い娘さんが35年たって出てきたのは衝撃だった。
    昔とかわらずきれいだった。

1/13 NHK
 新日本紀行ふたたび 「祭り太鼓は我が人生 〜埼玉県 秩父〜」
 ・・・秩父夜祭を支える人々の話。いまの子供ができない太鼓打ちを昭和40年代の子供は普通にやっていた。
    死んだ先代のバチさばきは奇跡。

1/7〜12/16 NHK
 
風林火山
  ・・・ホームドラマ臭を廃している。人気とりで役者を選んでいない。
    硬派に話を進めている。本格時代劇の予感。


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